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運送業務委託契約における秘密保持契約の重要性とポイント

陸路運送業

はじめに

 通常、運送契約を締結することになった場合には、自社のノウハウ等が外部に漏れないよう、契約書内に秘密保持条項を設けることが一般的です。
 ただ、今回は、運送契約の締結に至らなかった場合でも、商談が開始した段階で秘密保持契約を結んでおく必要性・重要性について解説していきます。

秘密保持契約の重要性

 秘密保持契約とは、企業間で自社の情報を相手企業に提供する場合、その情報の取扱方法などを予め定めることで、自社の秘密情報が漏洩されることや、目的外使用されることを防止するための契約です。
 物流業界においては、運送業者の利用を検討している企業(以下「見込顧客」といいます。)が、複数の運送業者に見積もりを依頼し、その中から自分に合った運送業者を選ぶことが一般的です。この場合、見積もり段階で秘密保持契約を締結していなければ、見積書に記載された運送費が見込顧客を通じて、他の運送業者に知られてしまう危険性があります。また、見込顧客に自社の倉庫などの設備を見てもらう機会もあり、その際に自社のノウハウ等を見込顧客が知る危険性も十分あり得ます。
 以上の理由から、運送契約の締結に至る前段階において、秘密保持契約を予め結んでおくことが重要といえます。

秘密保持契約の内容

 以下では、秘密保持契約の内容として定めるのが一般的な事項について紹介します。

(1)秘密情報の定義・対象範囲

 まず、何が「秘密情報」に当たるのかを定める必要があります。「秘密情報」に含まれない情報については、秘密保持義務が及びません。また、実際に情報漏洩があった際に、当該情報が秘密保持契約の対象かどうかの争いが生じないようにするためにも、運送業者は、その対象範囲を明確に定める必要があります。
 具体的な定め方としては、「協議等により知り得た相手方の技術上又は営業上その他業務上の一切の情報」のように開示した一切の情報を秘密情報と捉える場合と、「…一切の情報のうち、相手方が秘密である旨明示したもの」のように秘密である旨明示した情報に限定する場合があります。
前者のように、秘密情報の対象範囲が広くなれば、情報を開示する側に有利となる一方で、後者のように、秘密情報の対象範囲が狭くなれば、受領する側の負担が軽くなるので、受領者側に有利となります。
 運送業者は、上記を念頭に置いた上で、どのように秘密情報を定めるのが自社にとって有利となるのかを考える必要があります。

(2)秘密保持義務の内容

 次に、定められた「秘密情報」の取扱いについて定める必要があります。一般的な定め方としては、開示者の書面による事前の同意がない限り、目的外使用及び第三者への開示又は漏洩を禁止するというものになります。
 ただ、これに加えて、関連会社や委託先など、例外的に開示できる第三者を定めておくのが一般的です。
 また、運送業務委託契約を検討している場合であれば、利用することが予想される下請業者を、秘密情報の開示が可能な第三者として記載しておく必要があります。なぜなら、運送業者は、請け負った業務の一部を他の運送業者に下請けに出すことも多く、見積もりを出す段階で見込顧客から受領した情報を下請業者に予め開示することもあり得るからです。

(3)期間

 開示を受けた秘密情報について、いつまで秘密保持義務を負うのか、秘密保持の期間を定める必要があります。秘密保持条項の有効期間については、秘密保持契約それ自体の有効期間よりも長く設定することが一般的です。
 秘密保持の期間が長ければ長いほど、秘密情報が開示されるリスクが低くなるため、開示者に有利となります。
 運送業者としては、見込顧客が負う秘密保持義務の期間について熟考するのは勿論のこと、自社が負う秘密保持義務の期間についても、過大な負担を負うことがないよう、検討・交渉する必要があります。

(4)返還方法

 秘密保持の期間が終了した場合や開示者からの要請があった場合に、秘密情報の受領者が開示を受けた情報を返還又は破棄する旨を定めるのが一般的です。
 運送契約の締結に至らなかった場合、見込顧客から開示されていた情報の返還又は破棄を求められることがあります。そのため、運送業者としては、資料を見込顧客ごとに分けて保管する等、管理上の工夫をしておくのが望ましいでしょう。

(5)損害賠償

 秘密保持契約に反して情報の開示又は漏洩があった場合、秘密保持契約上に損害賠償について明記しなくとも、民法上、開示者は相手方に対して損害賠償を請求することが可能です(民法415条)。ここで問題となるのは、その賠償の範囲です。
 仮に、運送業者が、見込顧客から提供された秘密情報を漏洩してしまった場合、賠償額次第では、会社の存続自体が危ぶまれます。そこで、秘密保持契約において賠償の範囲を限定し、自衛することが肝心です。
 また、損害賠償の範囲とは別に賠償額の上限を明確にすることも、運送業者にとって重要なポイントです。たとえば、「損害賠償額は業務委託料を上限とする」旨の規定を設けることで、自社のリスクを抑えておかれることも是非、検討してみてください。

おわりに

 秘密保持契約を締結する場合、上記で述べた点を踏まえて、自社に有利な内容の秘密保持契約書を予め準備しておくことが非常に有用といえます。
 この記事を見て、秘密保持契約書を作成したいと考えた方は、この分野に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。

Last Updated on 2024年1月12日 by segou-partners-logistic

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