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標準貨物自動車運送約款の概要と運送委託契約で定めておきたい契約条項

陸路運送業

1.標準貨物自動車運送約款の概要

 一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならないことになっています(貨物自動車運送事業法10条1項)。

ただし、実際には、貨物自動車による運送事業に関しては、国土交通大臣が定めて公示する「標準貨物自動車運送約款」(以下「標準約款」といいます。)を運送約款として使用することが通例です(「国土交通大臣が標準運送約款を定めて公示した場合において、一般貨物自動車運送事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、又は現に定めている運送約款については、第一項の規定による認可を受けたものとみなす。」(同3項))。

 もっとも、標準約款は単発の運送委託契約を想定しており、最低限の規定を置くにすぎません。そのため標準約款は、継続的契約を前提にしておらず、継続的契約が主となるビジネスの場面には、不向きなのですそこで、継続的契約を前提とする荷主企業と運送事業者との間では、標準約款に補充的追加的な条項を加えた契約書(運送委託契約書)を別途用意することをお勧めします。

2.運送委託契約書において補充・追加すべき条項

では、運送委託契約書においては、具体的にどのような条項を補充・追加するべきなのでしょうか。

①運賃・料金等に関する条項

 まず、もっともトラブルになりやすい金銭面について、しっかりと明記しましょう。具体的には、金額・算定方法(運賃料金表)、支払方法(締め日、月末払い等)、変更規定(経済状況等の変化に備える)等です。

②附帯業務に関する条項

 附帯業務(品代金の取立て、荷掛金の立替え、貨物の荷造り、仕分、保管、検収及び検品、横待ち及び縦待ち、棚入れ、ラベル貼り、はい作業その他貨物自動車運送事業に附帯して一定の時間、技能、機器等を必要とする業務)に関しては、委託業務の範囲に入るのか否か曖昧なまま、運転手が業務を遂行してしまうことが多く、運転手に必要な休憩・休息時間の確保が困難となる等、安全運行の阻害要因になり得ます。

 また、附帯業務を遂行する際は、事故が起こりやすいといわれています(運送事業者の労働災害事故の約75%が荷役作業時に発生し、その多くは荷主事業場内で発生といわれています)。事故が起こった場合に、責任の所在があいまいになることも珍しくありません。そこで、万一、事故が起きた場合に備え、委託業務の範囲として附帯業務の内容を明記しておくと、生じた事故の責任を荷主企業と運送事業者のどちらが負担するのかを判断するにあたり、重要な判断要素の一つになり得ます。

 そこで、荷主企業が運送事業者に対し、運送業務とは別にどこまで附帯業務を委託するのかを予め具体的に明記することで、未然に可能な限りトラブルを回避します。

③契約の有効期間に関する条項

 継続的契約の場合、当該運送委託契約の内容がいつまで効力を有するのか、自動更新の有無を含めて、定めておく必要があります。

④契約解除・解約に関する条項

 継続的契約の場合、荷主企業と運送事業者は、有効期間中、契約に拘束されることになります。

 そこで、どのような場合に、当該契約の拘束から解放されるのかについて明記した解除・解約条項を定めておく必要があります。

⑤秘密保持条項

 荷主企業と運送事業者は、互いに秘密にしておきたいノウハウ等があるかもしれません。そのような場合にそなえて、秘密保持条項を明記しておくべきです。なお、保持すべき秘密が多い場合や特に厳格にしておきたい場合は、運送委託契約書とは別に秘密保持契約書等を作成しておいてもよいでしょう。

⑥反社会的勢力の排除条項

 荷主企業と運送事業者は、互いに反社会的勢力に関与しないように、排除条項を定めておくべきです。

⑦効力条項

 標準約款を修正する条項を定める場合に、はじめて標準約款と運送委託契約の当該条項との優先関係が問題となります。

 この点、どちらが優先するかについては、見解がわかれています。当然に、契約書の内容の方が、運送約款より優先するという見解をとられる方は、標準約款の2条2項で「特約」を認めていることや、当事者の合意で契約書を作成しているのだから契約書の内容が標準約款の条項に優先することは当事者間の合理的意思解釈として明らかであること等を理由としています。

 いずれにせよ、余計なトラブルを回避する意味で、修正条項を置く場合には、修正条項が標準約款の抵触する条項に優先する旨、明記されておかれることが無難でしょう。なお、標準約款を追加補充するような条項の場合は、運送委託契約書と標準約款は優先関係にたつのではなく、補い合うような関係になりますので、いずれの条項も有効となります。

⑧信義誠実協議条項、合意管轄条項

 その他、一般の契約書によくみられる信義誠実協議条項や合意管轄条項を忘れずに定めておきましょう。

 なお、合意管轄条項については、たとえば、「●●裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする」旨、定めてください。「専属的」という言葉を明記することがポイントです(この言葉がないと、端に管轄裁判所の選択肢が増えたという意味でしかないおそれがあります)。

⑨その他

 自然災害が発生し、寄託された貨物が損傷した場合、標準約款には免責条項が定められています(「当店は、次の事由による貨物の滅失、損傷、延着その他の損害については、損害賠償の責任を負いません。・・・四不可抗力による火災五地震、津波、高潮、大水、暴風雨、地すべり、山崩れ等その他の天災」)。そのような場合に備えて、付保の有無等について明らかにしておくとよいでしょう。

物流・ロジスティクスの法務問題に関してお困りの経営者は、この問題に詳しい弁護士にご相談ください。

Last Updated on 2024年2月21日 by segou-partners-logistic

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