Q 当社では、きちんと運行管理者を配置するようにしています。しかし、1年半前、従業員の退職が相次ぎ、運行管理者数が不足していた時期がありました。運行管理者数が不足していた場合、どのような行政処分を受けるのでしょうか。また、1年半前の運行管理者数の不足について、今から行政処分を受けることはあるのでしょうか。
A 運行管理者数が不足していた場合、1台の車を20日動かせなくなるという行政処分を受けることになります。もっとも、1年以上遡って行政処分を受けることは、通常ないと考えられます。
運行管理者とは
運行管理者は、トラック運送会社で安全運行を担う重要な役割を果たします。運行管理者の主な仕事は、ドライバーの健康状態や運転技能をチェックし、適切な運行計画を立てることです。これにより、事故を防ぎ、安全な輸送を確保します。貨物自動車運送事業法18条1項により、トラック運送会社は、運行管理者を置くことが義務付けられているのです。
行政処分の基準
貨物自動車運送事業法に違反した場合の行政処分の基準については、「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」という局長通達があります。この局長通達については、「『貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について』の細部取扱いについて」、「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について」、「【別表】(貨物)違反事項ごとの行政処分等の基準」という解説のようなものが出されています。これらは、全て国交省のHPに掲載されています。↓
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03punishment/baseline.html
運行管理者配置に関する行政処分
運行管理者の設置義務違反は、輸送の安全に直結する重大な違反として扱われるため勧告や警告では済みません。具体的な処分の内容は、違反の程度によって2つに分かれます。
・運行管理者の数が足りない場合→20日車(1台のトラックを20日間使用できなくなる) ・運行管理者をまったく置いていない場合→事業停止 |
本件では、運行管理者数が不足していたということですので、20日車(1台のトラックを20日間使用できなくなる)という処分を受けることになります。トラックが使えなくなるため、荷物を運べず売上が減少することになってしまいます。
行政処分の時効(?)
行政処分には、刑事罰のような明確な時効はありません。ただ、監査対象期間として、通常は、直近1年間の記録が重点的に確認されると言われているので、1年以上遡って処分を受けることはまれだと考えられます。
Last Updated on 2024年11月9日 by segou-partners-logistic